まだまだ人気は衰えない!マツダ・ロードスターの魅力とよくある故障について

誕生から28年。まだまだ衰えることを知らないその人気は、まさに日本を代表するスポーツカーの証です。ロードスターの魅力やありがちな故障、修理費用の目安を解説します。

ロードスターの魅力

ロードスターは「人馬一体」のコンセプトのもと、1989年に「ユーノスロードスター」の名称で販売が開始されました。

当時の日本のスポーツカーと言えば中型~大型が主流だったため、ロードスターの登場は非常に画期的であっという間に人気が広まりました。

オープンカーの欠点とも言うべきボディ剛性(サンルーフ部分を排除すると剛性が5分の1~10分の1にまで低下するとも言われています)を補うべく多分岐構造を用いた骨組みを始め、剛性を保つための様々な工夫が盛り込まれています。

発売以来28年に渡って不動の人気を保っているロードスターの現行モデルは2015年に販売が開始された4代目ND系です。

マツダの新技術「SKYACTIVE TECHNOLOGY」そしてデザインテーマ「魂動(コドウ)-Soul of Motion-」を全面採用しています。

オープンカーならではの魅力としては

  • 爽快感や疾走感を味わえる
  • 自然との一体感を味わえる
  • 五感が刺激を受ける

などがありますが、マツダの最大の魅力と言えばやはり多くの車ファンを虜にしてきた「走り」です。

ロードスターはFR駆動、直列4気筒エンジンというオーソドックスなスタイルですが

  • 前後重量配分の最適化
  • エンジンパワーと足回りのバランスの追求

など「ドライバーがどれだけ気持ちよく運転することができるか」を考えて造られています。

今なお受け継がれているマツダのテーマ「人馬一体」は、このロードスターから誕生した言葉なのです。

ロードスターによくある故障や修理費用の目安

電動ファンモーターの故障

特に2005年~2015年に発売されていた3代目NC系に多いと言われているのが、電動ファンモーターの故障です。

冷却水の温度が高くなるとファンが回って強制的に冷やすのですが、そこで駆動するモーターが故障してしまうことで水温を下げられず

  • オーバーヒートしてしまう
  • 冷却水が噴き出し、エンジンに回って白煙が立ち上ってしまう

といった症状を招きます。

もちろん、その前に

  • 水温計が上がりやすくなった
  • 水温計が上がってもファンの音が聞こえない

などの前兆がありますので、そこで気付ければ大事に至る前に措置を施すことができるのですが、気づかずに乗り続けてしまうとオーバーヒートなどを起こしてしまいます。

電動ファンモーターの修理にはファンドライブを丸ごと交換することになります。費用としては6万円~7万円程度見込んでおく必要があります。

パワーウィンドウ

パワーウィンドウの多くは「電動モーター」と、ワイヤーやアームなどでウィンドウを動かす機構である「レギュレーター」の連動によって作動しています。

このうちいずれかが故障してしまうとパワーウィンドウが動かない、あるいは動いたとしても鈍いなどの症状が起こり、最終的に完全に開閉できなくなってしまうというものです。

オープンカーですので、水に濡れたことによる電装系のトラブルが原因の可能性もありますが、多くは経年劣化による電動モーターの焼き付き、もしくはレギュレーターの不具合と言われています。

電動モーター、レギュレーターいずれかの故障であってもアッセンブリー交換となりますのでドア1枚につき2万5000円~3万円程度の修理費用が見込まれます。

もしリビルト品や中古部品でも良いという場合は半額くらいに抑えることができます。

ドアロックアクチュエーターの故障

内部にモーターが組み込まれていて、電気信号を受けることで伸縮しドアを開閉させる機構がドアロックアクチュエーター(あるいは単にアクチュエーター)と言うのですが、ここも経年劣化によって故障しやすいと言われています。

特に運転席側に多いと言われていて、ドアの開閉が不能になってしまいますので助手席側から乗り込むか、常にオープン状態にしておいてドアを跨いで乗り降りすることになってしまいます。

ドアロックアクチュエーターの交換費用は、作業工賃も合わせると2万5000円~3万円は見ておいた方が良いでしょう。

ソフトトップからの雨漏り

ソフトトップとはいわゆる幌を意味します。オープンカーのロードスターにはこのソフトトップが付いているのですが、どうしても雨漏りのリスクが伴います。

現行モデルではほとんど聞かれなくなりましたがそれでもゼロではありませんので、もし雨漏りに遭ったら

雨漏りの場所はソフトトップからの場合と、ソフトトップとハードトップ(金属のボディ部分)の隙間からの場合があります。

対策としてはウェザーストリップ(雨や埃、風や騒音などの侵入を防ぐ筒状のシール部材)をマメに交換してあげること、あるいはソフトトップを丈夫な素材でできた社外品に交換することなどが挙げられます。

ウェザーストリップの交換は作業工賃を含めても1万円~1万5000円程度でおさまりますが、もしソフトトップを交換する場合は少なくとも5万円以上は見積もっておきましょう。

燃料ポンプの故障

特に2代目NB型で多いと言われているのが燃料ポンプの故障です。NB型は燃料ポンプにかかる負担が大きいとされていて、経年劣化などで故障しがちな部分として有名です。

正常な燃圧が保たれなくなることで

  • エンジンの掛かりが悪くなる
  • アクセルを踏み込んだ時のレスポンスが悪くなる
  • エンジンが掛からなくなってしまう

などの症状が現れます。

燃料ポンプを交換することで解消できますが、同時に燃料フィルターも交換することになりますので、交換費用としては3万円~4万円は見ておいた方が良いでしょう。

このような故障がロードスターに多いと言われている故障です。

その他の故障


ロードスターのブレーキはディスクブレーキを採用しているのですが、ブレーキパッドに対して左右両側から作用する対向ピストンキャリパーではなく、片側から作用するごく一般的なフローティングキャリパーが採用されています。

ブレーキパッドの汚れなどによってキャリパーが固着してしまうことで、ブレーキパッドを引きずったような状態(ブレーキが効いている状態)になってしまいます。

これを直すにはブレーキキャリパーを分解して修理する必要があります。作業工賃も合わせて3万円~4万円ほど必要になると思います。

ロードスターは比較的「丈夫」な車!買い替えよりも修理が◎


今回ご紹介した故障からも分かるように、10万円以上の修理費用が必要になる故障というのはロードスターではあまり聞かれません。

ロードスターに乗っているオーナーからも「とても丈夫にできている」と評判で、中には25万km乗っていても大きな故障はしなかったという人もいるほどです。

雨漏りやパワーウィンドウなどロードスター特有の故障はいくつかありますが、それでも大きな故障の心配が少ないことに変わりはありませんので、できれば買い換えるよりも修理をして乗り続けた方が良いでしょう。