ビッグモーターのクレーム安心保証とは!?加入した方が良いのはどんな時?

ビッグモーターには「クレーム安心保証」というサービスがあります。具体的にどんなサービスで、どんな人が対象になるのでしょうか?ビッグモーターのクレーム安心保証に加入した方が良いケースや、加入しなくても良いケースなどと併せて解説します。

ビッグモーターのクレーム安心保証とは?

まずはビッグモーターのクレーム安心保証の概要や加入費用などについて解説をします。ガリバーにも「クレームガード保証」という似たようなサービスがありますが、基本的にはほぼ同じものと言えます。

《ビッグモーターのクレーム安心保証の概要》

車を買い取った後に何らかの欠陥や不具合が見つかった場合、本来であればその修理費用などの損害金を売主に請求するのですが、クレーム安心保証に加入していればビッグモーターはその損害金を売主に請求しないという仕組みです。

もう少し具体的に解説すると、ビッグモーターが車を買い取った後、自社工場や提携工場などでメンテナンスを行っている際、あるいは中古車オークションに出品する際などに「査定時は見抜けなかった欠陥や不具合」が見つかったとします。

例えばシャフトの不具合やエンジンの異音などは走らなければ分からないこともありますし、「事故歴・修復歴なし」としていたのに実はよく調べてみたら修復跡が見つかったということもあります。

そんな時、本来であれば売主にその修理費用や損害金を請求する(あるいは買取価格からその金額を値引きする)ことになるのですが、このビッグモーターのクレーム安心保証に加入していた場合はその費用は請求しないというものです。

《ビッグモーターのクレーム安心保証の加入費用》

軽自動車:10,000円
普通車(買取価格100万円未満):10,000円
普通車(買取価格100万円以上):20,000円
輸入車:30,000円
*いずれも保証限度額は100万円までとなります。
*加入費用については予告なく変更になる可能性があります。最新情報は査定時などにビッグモーターのスタッフにお尋ねください。

なお、加入費用については実質的に「買取価格からその分の費用を差し引く」形で支払うことになります。

実際にクレーム安心保証が適用されるのはどんな時?


では、実際にビッグモーターでクレーム安心保証はどんな時に適用されるのでしょうか?また、適用とならないケースはあるのでしょうか?

《ビッグモーターでクレーム安心保証が適用されるケース》

(1)売却後の整備中などに欠陥や不具合が発覚した場合

ビッグモーターが車の買い取り後、自社工場や提携工場などで整備を行っている段階で、欠陥や不具合が発覚した場合に適用されます。

(2)中古車オークションに出品する際に欠陥や不具合が発覚した場合

中古車オークションに出品する際、別の査定士が再度その車を査定するのですが、その時に欠陥や不具合が発覚した場合に適用されます。

(3)売却した直後に欠陥や不具合が発覚した場合

買い取った車をビッグモーターが中古車として販売し、まだ名義変更が済んでいない販売直後の段階で、欠陥や不具合が発覚した場合に適用されます。

《ビッグモーターでクレームガード保証が適用されないケース》

(1)保証限度額を超えた場合

保証限度額は100万円までとなりますので、それを超えた場合は適用されない可能性があります。

(2)故意に欠陥や不具合を隠して売却した場合

売主が、欠陥や不具合、事故歴・修復歴があることを知っていながら故意に隠して売却した場合、適用されない可能性があります。

(3)売買契約がキャンセルになった場合

買主は買い取り後に欠陥や不具合が見つかった場合、その売買契約をキャンセルすることができるのが通常です。その場合は契約自体がキャンセルとなりますので、当然ながら保証も適用されません。

主にこのようなケースで適用・不適用が分かれます。

ところで、売却後でも売主が責任を負う必要があるの?


民法には「瑕疵担保責任」というものがあります。

これは、有償の売買契約において、その売買の目的物に「一般では簡単に確認できない(見抜けない)ような欠陥や不具合」があった場合、売主が買主に対して担保責任を負わなければならない、というものです。

ただ、この瑕疵担保責任の概念をそのまま車の売却に当てはめてしまうと、売主はとてもリスクが高くなってしまいます。

欠陥や不具合があることに本当に気づかなかった場合や、事故歴・修復歴なしと騙されて購入した中古車を知らずに売却してしまった、という場合でも瑕疵担保責任が発生してしまうからです。

本来であれば、「プロの査定士が時間をかけて査定した結果」として売買契約が成立した訳ですので、査定時に見抜けなかった「買取業者側の責任」と言えます。

事実、一般社団法人自動車公正取引協議会でも「売主が欠陥や不具合を知らなかった場合は買取業者側の責任になる」としています。

これらを考えると、車の売買契約における瑕疵担保責任の捉え方としては「売主が欠陥や不具合を知っていて故意に隠して売却をした場合」についてのみ、担保責任が発生するとするのが正しいでしょう。

ビッグモーターのクレーム安心保証には加入しなくても大丈夫!?


ビッグモーターのクレーム安心保証は必ず加入しなければならないものではありません。

《加入しなくても良いケース》

・査定時に欠陥や不具合、事故歴や修復歴を正直に申告して売却する
・新車を購入して事故歴や修復歴もない状態で売却する

このようなケースでは加入する必要性はほとんどないと言えるかも知れません。

ただ、できれば加入をしておいた方が良いケースというものがあります。

《加入した方が良いケース》

・売却する車両がもともと中古車だった

「中古車でも事故歴や修復歴がなければ特に必要ないのでは?」「欠陥や不具合などは正直に申告すれば加入しなくても良いのでは?」と思う方も多いかも知れません。

しかし、たとえ欠陥や不具合、そして事故歴・修復歴などがあることを知らずに売却したとしても、ビッグモーター側にはそれ(知らなかったこと)は分かりません。

知らなかったことを証明するよう求められる可能性もありますし、最悪の場合、裁判までもつれ込んでしまう可能性もあります。

本当に知らなかったのであればきっと裁判で証明できることとは思いますが、そこに到るまでには多くの時間や費用、労力などが必要になってしまいます。

そう考えると、中古車を売却する場合はビッグモーターのクレーム安心保証に加入しておいた方が良いと言えるでしょう。

ただ、少しでも高く売りたいというのが売主の共通の思いですので、ビッグモーターのクレーム安心保証に加入したために買取価格が他の業者よりも低くなってしまうのは悲しいものです。

そのため、「クレーム安心保証の加入費用を差し引いてもビッグモーターの買取価格が最も高い」というケースに限り、クレーム安心保証に加入しつつビッグモーターで売却する、という流れが良いのではないでしょうか。

まとめ

今回はビッグモーターのクレーム安心保証についての解説でした。

何らかの欠陥や不具合、事故歴や修復歴を隠して売却することはもちろんNGですが、このクレーム安心保証は売主がそれらを知らずに売却してしまった場合でも適用されますので、中古車を売却する場合は特に安心感が違ってきます。

中古車を売却する場合で、かつ「クレーム安心保証への加入費用を差し引いてもビッグモーターの買取価格が最も高いとき」は、加入を検討してみてください。

ただし、保証限度額は100万円までということも忘れずに覚えておいてください。もし不安な方は、事前にビッグモーターの査定士などに「100万円を超えた場合はどうなるのか?」を確認しておきましょう。