エスティマに多い故障とは?買い換えるべきか乗り続けるべきか?

トヨタを代表するミニバン、超ロングセラーのエスティマについて、故障が多い箇所や修理費用の目安、買い替えや修理の判断などを、エスティマの人気の秘密とともにご紹介します!

エスティマは超ロングセラー車!

エスティマの初代は1990年に発売されたモデルで、実に27年という超ロングセラー車になっています。

トヨタが自ら「天才タマゴ」と称したように、丸みを帯びたタマゴを彷彿とさせるデザインが印象的です。

■走りやすい!

大型ですのでコンパクトカーなどと比較しても重量もあり、小回りも利きません。それでも「高い直進走行の安定性」を生み出しているのがこのエスティマなのです。

直進走行時は僅かながらもハンドルを調整したり、轍にタイヤを取られたりということがありますが、エスティマにおいてはタイヤ間の幅が広く重量もあるため非常に安定しているのです。

特に長距離を乗った場合、運転手や同乗者が「疲れない」ことで有名です。

■快適すぎる車内空間!

現行の最新モデルではガラス全面がUVカット仕様になっていて、紫外線から肌を守ったり、車内温度の上昇を防いでくれます。

また、家庭用と同じAC100Vのコンセントも付いていますので、車内で充電をすることもできますし、キャンプでの電源、災害時の電源としても大活躍します。

さらに、2列目シートはリラックスキャプテンシートと言うのですが、飛行機のファーストクラスさながらの快適さを実現したほか、最大で80cmのスライドが可能ですので、3列目を収納することでまさにVIP空間が出来上がるのです。

エスティマの人気の秘密はこのような快適性、運転のしやすさなどに隠されているようです。

そんなエスティマの故障が多い箇所やその修理費用の目安などをご紹介します。

エスティマで故障が多いと言われている箇所は?


エスティマの中でも故障が多いと言われている箇所や、修理費用が高くなりがちな故障についていくつかご紹介します。

■ATのトラブル

AT(オートマチックトランスミッション)とは自動変速機のことですが、エンジンオイルとは別にATF(オートマチックトランスミッションフルード)というオイルを使用しています。

このオイルは3,000km~5,000kmごとの交換を推奨しているエンジンオイルとは異なり、メーカーでも5万km~6万kmごとの交換だったり、中には10万kmごとの交換を推奨している車種もあります。

ATでは、ギヤの金属部分が摩擦することによってどうしても金属粉(カス)が発生してしまい、それがATFに混ざってしまうものなのですが、通常はフィルターによって濾し取られますのでほとんど影響はありません。

しかし、あまりに長くATFを交換しないとその金属粉がどんどん蓄積されて行き、やがて十分に濾せなくなり、オイルパン(エンジンオイルを溜めておく金属製の箱のようなもの)に溜まって行きます。

そして新車で購入してからしばらく交換してこなかったATFをついに交換するとなった際、金属粉が完全に排出されず、新しく注入されたATFと混ざって舞い上がり、やがてAT内部の僅かな隙間などに入り込んでしまうことがあるのです。

そうなると変速異常、変速不能などを起こし、最悪のケースではAT自体を乗せ替えなければならなくなってしまいます。

このATの乗せ替えが高額になりがちで、純正品では作業工賃も含めて30万円以上、リビルト品や中古品であっても15万円程度は見積もっておかなければなりません。

■オルタネーターの故障

オルタネーターとは発電機のことで、車を走らせるために無くてはならないものです。

このオルタネーターが前兆もなく突然故障してしまうというケースが報告されていて、回転はするものの発電がストップしてしまい、エンジンなどの全ての機能が停止してしまうというものです。

走行中にバッテリー警告灯が点灯した場合、もしかするとオルタネーターが故障している可能性がありますので、すぐにディーラーに持ち込むことをお勧めします。

新品に交換すると作業工賃も含めて8万円~10万円、リビルト品でも6万円~8万円程度は見ておいた方が良いでしょう。

■エンジンオイルの異常消費

エスティマには、同じトヨタのアルファード、ヴェルファイアなどにも搭載されている「2AZエンジン」が搭載されています。

日本国内で製造されているエンジンであれば問題ないのですが、中国で製造された同エンジンは欠陥品が多く、ピストンリングが異常摩耗を起こすことでエンジンオイルが大量に消費されてしまうことがあります。

エンジンオイルのチェックをこまめに行っている人であればもしかしたら気付けるかも知れませんが、気づかずに走っているとやがてエンジンオイルがなくなり、エンジンブローを起こします。

最悪エンジンをオーバーホールしなければならなくなりますので、もし定期点検などもきちんと行っているのにエンジンオイル警告灯が点灯した、などという場合は早めにディーラーに持ち込みましょう。

なお、この件については、新車を登録してから9年以内であればトヨタが無償で修理してくれます。詳しくはトヨタの「保証期間延長」をご覧ください。

もし保証期間が過ぎている場合は残念ながら自費となり、その場合50万円以上は覚悟しなければなりません。

エスティマで修理費用が高額になりがちな故障にはこのようなものがあります。

その他の故障について


修理費用はそれほど高くありませんが、こちらも比較的よく報告されている故障です。

■ファンベルトが傷みやすい

本来、ファンベルトは5万km~10万kmなど長い間交換せずに済むように造られているものなのですが、一部のエスティマにおいてはなんとたった1年程度でベルトが傷んでしまうことがあるようです。

修理費用はベルトの交換になりますので、作業工賃を含めても1万円程度と考えられますが、「壊れない」で有名なトヨタらしからぬ不具合と言われています。

■ブレーキの異音

アルファードやヴェルファイアにも同様の症状が見られるのですが、特にリアブレーキから

・ブレーキを引きずっているような音
・ブレーキパッドが摩耗して金属が擦れているるような音

などが聞こえるというものです。

特に低速走行をしている時にはっきり確認できるケースが多く、解消するにはブレーキパッドの交換、ブレーキのバランスおよびABSの調整などが必要になりますので、費用としては1万円~2万円程度、見ておきましょう。

このような故障も報告されています。

直ちに安全を脅かすものではないかも知れませんが、やはり故障したまま乗り続けるのは不安がありますし、重大な事故などを招きかねません。

少しでも異常を感じたら、迷わずディーラーに持ち込んで相談するようにしましょう。

買い換えるべき?それとも修理して乗り続けるべき?


今回ご紹介したように、エスティマには修理費用が比較的高額になってしまう故障が少なくありません。

そうなった場合、買い換えるかどうか悩むものです。

もちろん、走行距離や愛着度、費用など様々な問題が関わってきますが、もし「買い換えた方が良いのかな?」と感じたとしたら、それは買い換えどきと言えるのかも知れません。

どうせ売るなら少しでも高く売りたいものですよね。

カーセンサーなどの一括査定では、一度に複数の買取業者に査定を依頼できますので、より高く買い取ってくれる業者を自分で見つけることができます。

愛車をしっかり評価してもらうためにも、次の車の購入資金を少しでも確保するためにも、ぜひ一括査定を上手に活用することをお勧めします。