3代目アテンザはとにかく”いい”!
2012年にフルモデルチェンジが行われた3代目アテンザは、マツダの新世代技術「SKYACTIVE TECHNOLOGY」と新デザインテーマである「魂動(こどう)-Soul of Motion」を採用したフラッグシップモデルです。
高級感と躍動感が共存したそのボディはシンプルで無駄のないラインであるにも関わらずボリューム感も十分で、まさに非の打ち所がないデザインとされ、発売当初から高い人気を維持しています。
セダンとワゴン(従来のスポーツワゴン)があり、いずれもそれぞれのフィールドで人気が高いのですが、特にクリーンディーゼルエンジン搭載モデルがその中でも好調です。
これまでのディーゼルのイメージを覆したガソリン車並みの静かさ、環境に配慮された吸排気システム、JC08モードで22.4km/Lを実現した優れた燃費性能などたくさんの魅力が込められています。
とにかく”いい”車と言われるアテンザですが、不具合やリコールなども発表されています。
アテンザのリコール情報
実はアテンザは比較的リコールが多い車です。いずれも重要な情報ですのでしっかりと把握しておきましょう。
ここでは2017年に入ってから発表されたリコールのうち新しいものをいくつかご紹介します。
《2017年6月23日開始のリコール》
■不具合の内容
後輪のブレーキキャリパにおいて、ブーツのシール構造が不適切なため、キャリパ内部に水が浸入し、シャフトに錆が発生し腐食することがある。
そのままの状態で使用を続けるとシャフトの摺動性が悪化し、駐車ブレーキの制動力が低下、最悪の場合車両が動き出すおそれがある。
■改善の内容
全車両、ブレーキキャリパのシャフトを点検し、錆が発生しているものはブレーキキャリパを対策品と交換する。錆が発生していないものは対策品のブーツキットと交換する。
なお、交換部品の準備に時間を要することから使用者に対して不具合内容を通知し、注意喚起の上マニュアルトランスミッション車から順次点検を実施する。
《2017年2月24日開始のリコール》
■不具合の内容
(1)
ディーゼルエンジンにおいて、インジェクタ取付ナットの締結力が不適切なため、インジェクタガスケットの面圧が低下することがある。
燃焼ガスがシリンダーヘッドに吹き抜け、エンジンオイルが炭化してオイルストレーナを詰まらせ、油圧低下により警告灯が点灯、そのまま使用を続けるとエンジンが焼き付き、最悪の場合エンストに至るおそれがある。
(2)
ディーゼルエンジンにおいて、整備作業時の燃料リターンホースの取扱いが不明確なため、当該ホースに係わる作業時に交換されなかった場合、ホース取付部のシール性低下やホース内部に亀裂が入ることがある。
そのまま使用を続けると、ホース取付部や亀裂部から燃料が漏れるおそれがある。
(3)
ディーゼルエンジンにおいて、減速時のエンジン制御が不適切なため、気筒内圧力が低下し、吸気バルブの閉じ力が低くなることがある。
吸気バルブとバルブシート間に煤が挟まり圧縮不良となって、エンジン回転が不安定になるほか、最悪の場合エンストに至るおそれがある。
(4)
ディーゼルエンジンにおいて、インジェクタ制御回路の電圧変化によるノイズ対策が不適切なため、当該回路に許容を超える電流が流れることがある。
そのため回路が損傷し短絡することでヒューズが切れ、燃料噴射が停止しエンストに至るおそれがある。
(5)
ディーゼルエンジンにおいて、過回転制御が不適切なため、アクセル全開等の際、吸気経路内のブローバイガスに含まれるオイルが燃焼室内で燃焼し、エンジン回転が上昇することがある。
エンジンの潤滑が不足して焼き付き、最悪の場合エンジンが破損するおそれがある。
■改善の内容
(1)
全車両、インジェクタ取付ナットを増し締めする。また油圧を点検して異常が確認された場合は、エンジン内部を洗浄し、オイルストレーナとエンジンオイルを交換する。
(2)
全車両、燃料リターンホースを改良品と交換する。
(3)~(5)
全車両、制御プログラムを対策プログラムに修正する。
《2017年2月10日開始のリコール》
■不具合の内容
運転者席において、座席高さを調整するリフタリンクの強度が不足しているほか、リフタリンクの抜け止め防止用プッシュナットの固定方法が不適切なため、リフタリンクに亀裂が入る、または、プッシュナットが外れることがある。
そのため、そのまま使用を続けると、座席から異音やガタが発生し、最悪の場合リフタリンクが破損もしくは外れて座席が傾き、正しい運転姿勢が取れなくなるおそれがある。
■改善の内容
全車両リフタリンクを点検し、亀裂が無い場合はリフタリンクに補強ブラケットを追加するとともに、プッシュナットを2枚構造にする。リフタリンクに亀裂がある場合はシートアジャスターユニットを対策品に交換する。
なお、補強ブラケットの準備に時間を要するため年式の古い車両から順次改善措置を実施する。
その他のリコール情報については「リコール又はサービスキャンペーン情報」をご確認ください。
アテンザのサービスキャンペーン情報
リコールには至っていない不具合について、該当する場合は無償で修理・交換を行ってくれるものをサービスキャンペーンと言います。
アテンザのサービスキャンペーンで最新のものをご紹介します。
《2017年2月17日開始のサービスキャンペーン》
■不具合の内容
車両の後方を確認するバックカメラにおいて、レンズ表面のコーティングが不適切なものがあり、洗浄剤や雨水などに含まれる酸でコーティング剤が浸食されてしまうことがある。
そのまま使用を続けるとレンズ本体も浸食して白濁化し、バックカメラの映像が徐々に鮮明に映らなくなるおそれがある。
■改善の内容
全使用者へ当該不具合について周知し、レンズの白濁が発生している場合には、バックカメラを対策品に交換する。
リコールにはなっていなくても、該当する場合は安全上問題があるケースも少なくありませんので、もれなくチェックしておきたいところです。
保証期間延長や自主改善、対象車両かどうかの確認など
上記でご紹介した以外にも、マツダが自主的に改善したり保証期間を延長して対応するなどのケースもあります。
また、自分の車がこれらの対象となっているかについては、以下のページで検索することができます。
車台番号が必要になりますので、お手元に車検証などをご用意ください。
究極の「走る歓び」を具現化したアテンザ!
車は高い買い物になりますので、不具合が多いと残念ですよね。修理費用も高くついてしまうと経済的なダメージも大きくなってしまいます。
それでも人気が衰えない理由は、それら(不具合やリコール等)をも凌駕する魅力があるからではないでしょうか。
マツダが掲げる、究極の「走る歓び」をもたらしたフラッグシップモデルのアテンザ。今後の更なる進化に期待しましょう。