日産エクストレイルについて
エクストレイルは2000年11月13日に日産から発売されたクロスオーバーSUVです。2007年、2013年とこれまでに2度のフルモデルチェンジを経て現行の3代目T32型に至りました。
特に2015年5月13日に発売されたハイブリッドモデルは発売当初から大人気、今でも月間目標販売台数をたった10日でクリアしてしまうほどの受注があるなど、勢いは留まることを知りません。
そんなエクストレイルの人気のヒミツをまずは探ってみたいと思います。
エクストレイルの人気のヒミツはどこ!?
エクストレイルの人気のポイントはいくつかありますが、ここでは性能に着目してみたいと思います。
燃費性能の向上
ハイブリッド車の登場によって飛躍的に向上した燃費性能は人気の大きなポイントです。
エクストレイルは同じ日産車であるスカイラインやシーマなどにも搭載されている「インテリジェントデュアルクラッチコントロール」と呼ばれるハイブリッドシステムを搭載しています。
それだけなら普通の日産車と同じなのですが、エクストレイルのすごいところは、さらに「モーターとエンジンを切り離すことができる」という点です。
これによって低速時から高速時まで常にモーターで走行することも可能となり、平成32年度燃費基準値(エクストレイルは16.5km/L~17.6km/L)を20%上回る燃費性能を実現しています。
安全性能の向上
マイナーチェンジを経て自動ブレーキの性能が大幅にアップしています。
前後のバンパーにセンサーを取り付け、壁やガラスなどとの距離を音波によって計測し、アクセルの踏み間違いやギアの入れ違いによる急発進、誤発進を防ぎます。
アクセルとブレーキを間違えて踏み込んでコンビニに突っ込んでしまったり、立体駐車場の壁を突き破って落下してしまったりといった事故が後を絶ちませんが、このシステムによってそれらのリスクを回避できる可能性が高くなります。
ブレーキ以外には「プロパイロット」を設定することができるのも大きなポイントです。
プロパイロットは、例えば前を走る車を検知している時、ドライバーが設定した速度(約30km/h~100km/h)を上限に、車速に応じて適切な車間距離を保つように制御するなどのシステムです。
このように、燃費性能と安全性能が大きく進化しているところが、エクストレイルの人気の大きなヒミツと言えそうです。
エクストレイルで故障しやすい箇所はどこ?修理費用はどれくらい?
エクストレイルで「故障が多い」と言われている箇所や原因、修理費用の目安などをご紹介して行きます。
エンジンの回転数が上がらなくなる
走っている最中に突然エンジンの回転数が上がらなくなってしまうというエクストレイルの故障症状が確認されています。
突然そんな状態になってしまったら焦ってしまいますが、このケースではエンジンに異常があるというよりも、他の部分に不調があり重大なエクストレイルの故障症状に発展してしまう前に「セーフティモードが発動した」という可能性が高くなります。
特に多いと言われているのがクランクポジションセンサーと呼ばれる配線の断線です。
このセンサーはエンジンの回転数を検知するためのものですが、高負荷が続いたり、熱などによって断線したりしてしまうことがあるようです。
ディーラーではクランクポジションセンサーの交換とエンジンコントロールユニットのデータの書き換えで対応してくれます。
この場合、エクストレイルの故障修理費用の目安としては作業工賃なども含めて1万円~2万円程度を見ておきましょう(一部サービスキャンペーン対象車もあります)。
アイドリングが不安定になる・パワーが低下する等
これは2代目T31型のクリーンディーゼルエンジンを搭載しているモデルに多いのですが、走っている時に突然エンジンの警告灯が点灯するというものです。
クリーンディーゼルエンジンには、エンジンで発生したスラッジ(沈殿物・不純物など)を除去して排気ガスを浄化するためのDPFというフィルターが取り付けられています。
このDPFによるスラッジの除去が十分に行われなくなると徐々に蓄積してしまい、アイドリングが不安定になったり、パワーが低下したり、ハンチングが出たりしてしまうのです。
*ハンチングとは?
本来であれば一定の速度で回転するはずのエンジンが、その回転が不安定になることで速くなったり遅くなったりしてしまう状態を言います。
対策としてはスラッジを除去することです。自分でできないこともありませんが、そこまで蓄積してしまったスラッジを手で除去するのは困難なため、ディーラーでクリーニングを行うことになります。
クリーニングのみで済めば数千円の作業工賃のみで済むケースがほとんどですが、もしエクストレイルに故障症状が出てDPFなどの部品の交換が必要となると5万円~7万円程度の費用がかかる可能性があります。
コンプレッサーの焼き付き
特に初代~2代目といった年式が古めのエクストレイルに多い故障ですが、エアコンのコンプレッサーが焼き付いてしまい「風は出るけど生暖かい」「全然冷えない」といった症状が出てしまうというものです。
前兆として「エアコンをつけるとエンジンルームからガラガラ音がする」などの症状がありますが、原因は経年劣化によるものがほとんどです。
仕方ない部分でもありますが、乗り続ける場合は修理をする必要があります。
コンプレッサーの交換のみで済めば数万円程度ですが、もし配管などまるごと交換しなければならない場合は10万円コースとなります。
エクストレイルでは特にこのような故障が多いと言われています。
そのほかのエクストレイルの故障に関する情報
実際にエクストレイルに乗っている人が遭遇した故障に関する情報をご紹介します。
システムの故障
エクストレイル走行中に突然システムに故障症状が発生し、異常をきたすことがあるようです。
症状としては、
・EVモードに入らなくなる
・コーナーセンサー、VDC警告灯、エマージェンシーブレーキ、マスターウォーニング、ハイブリッドシステム警告灯などが点灯した状態となる
などがあるようです。
クラッチ機構の故障
エンジンをかけると回転する軸の部分をプーリーと言いますが、そこに採用されているクラッチ機構が故障してしまうことも多いようです。
すると空回りになって発電不足となり、オルタネーターから異音が聞こえるという症状を招いてしまうようです。
*オルタネーターとは?
交流の電気を作る装置、つまり車にとっては「発電機」となる部分です。
特にエンジンルームからキュルキュルといった鳴いているような音が聞こえる場合は、エクストレイルの故障である可能性が高いため、注意が必要です。
故障や不具合の中には、エンジンの再始動などによって一時的に症状がおさまるものもあります。
しかし、基本的に放置して直るとは考えにくいものですので、もし少しでも異常を感じたら、エクストレイルの故障を疑って、できるだけ早くディーラーに持ち込むことをお勧めします。
エクストレイルが故障したら買い換える?修理する?
車には個体差がありますので、もし故障や不具合が多いエクストレイルの個体に当たってしまった場合、最悪買い替えを検討することになるかも知れません。
この判断はなかなか難しいものではありますが、一つの目安として一括査定に出してみるという方法もあります。
一括査定というと、申し込みをした瞬間に電話がガンガンかかってくるというイメージをお持ちの方も少なくありませんが、カーセンサーから申し込めばその電話を大幅に減らすことができます。
■カーセンサー簡単ネット車査定
申し込み内容入力ページの下段にある「任意項目」を開き、連絡希望時間帯のテキストボックスに「メールによる連絡を希望」と書き添えれば、それを見た業者は可能な限り手間のかからないメールでのやり取りでコンタクトを取ってくれます。
本当に気に入った車なら「できれば長く乗りたい」と思うものですが、中古市場で需要の多いエクストレイルであれば、もしかすると高値で売却できる可能性もあります。
エクストレイルの故障が多くてお悩みの方は、思い切って一度査定に出してみるのも良いのではないでしょうか?