豊富すぎて選べない!?クラウンの凄さ!
車にそんなに詳しくない人でも一度は「クラウン」の名を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
クラウンは発売以来62年・14代に渡って高級セダンシーンを牽引し続けており、その耐久性の高さ、操作性、安全性の高さ、高級感などからタクシー、教習車、パトロール車などにも用いられてきました。
現在は「ロイヤル」「マジェスタ」「アスリート」の3種がメインで、ガソリン車の他にハイブリッド車も登場しています。
主力商品としては、時代の流れに沿うようにロイヤルのハイブリッドへと移行していますが、それでも高い人気を誇っているのがアスリートSです。
3500ccというパワー、スポーティな操作性、それでいて高級感を損なわない乗り心地、上品な内装などが人気のポイントです。
その実力は
「買ってから半年になりますが、まだ一度もアクセルを踏み込んだことがありません。十分なパワーに満足しています。」
「静粛性も安定性も抜群、取り回しも楽で、車体が大きいのに細い道でも難なく走れます!」
こんな口コミも見かけるほどです。
日本を代表する高級セダン・クラウン。故障しやすいポイントや修理費用の目安などを見て行きましょう。
クラウンで故障しやすい箇所は!?
14代目ともなるとさすがに発売されているモデル数も膨大になりますので、ここではアスリート系とマジェスタ系に絞って比較的故障が多いと言われているポイントをまとめています。
■エアサスの故障
エアサスとはエアサスペンションのことで、バスや高級車などに標準装備されていることがほとんどです。
簡単に言うと「空気を利用したバネ」のことで、エアスプリングにコンプレッサーから空気を送り込んだり、または空気を抜いたりすることで走行中の衝撃の緩和、車高の調整などが行えます。
乗り心地も通常のサスペンションを使用している車と比べると格段に良いため、人気のサスペンションの一種です。
ところが、特にクラウンマジェスタにおいては経年劣化によってエアスプリングとコンプレッサーが故障しやすくなってしまうというのです。
エアサスが故障してしまうと車高自体が下がってしまう、あるいは一部分だけの故障であればそこだけ車高が下がって傾いてしまう、などの症状が現れます。
エアスプリングに亀裂が入り空気が漏れているのか、コンプレッサーが故障して空気を送り込めないのか、などにもよりますが、修理費用は1本につきおよそ8万円~9万円程度を見込んでおいた方が良いでしょう。
ただ、1本だけ交換するというケースは少なく、多くの場合左右一対で交換するため最低でも16万円~18万円、4本交換で32万円~36万円ほどは見ておいた方が良さそうです。
■ボディパネルの浮き・ズレ等
クラウンアスリートに比較的多いと言われているのですが、ボディの骨格に貼り付けられているボディパネルのラインが揃っていなかったりコーナーが合っていなかったりする、というものです。
修理には一度ボディパネルを留めているボルトを緩めて調整することになります。
設計の時点でこうなったのか、製造の時点でこうなったのかは分かりませんが、トヨタは不具合と認めていませんので自費での修理となります。
・修理費用の相場がないため作業工賃として多額の修理費用を請求される可能性がある
・売却時、ボルト部分に工具を使用した跡が残っていると「修復歴あり」と判断される
このようなリスクがありますので、見積もりをきちんと取ること(できれば相見積もりも)、売却時に修復歴ありになっても後悔しないか?の2点をよく検討しましょう。
■エンジンからの振動
こちらもアスリートに多いと言われていますが、長く乗り続けているとエンジンから振動が伝わるようになり、ひどい時にはドリンクホルダーの飲み物が波打つほどになることもあります。
エンジンと車体の間にはエンジンマウントと呼ばれる振動を緩和させるクッションのようなものが備え付けられているのですが、そのマウント内のゴムが劣化・硬化してしまうことで正常に機能しなくなってしまうというものです。
ゴムを交換すれば解消しますが、そのためには一度エンジンをずらさなければならず、大掛かりな作業になるため工賃も含めると4万円~5万円程度は必要になるでしょう。
■マルチインフォメーションディスプレイの故障
マジェスタで多く報告されているのが、マルチインフォメーションディスプレイの故障です。
タッチパネル部分を使い込んだことによって反応が悪くなり、何度もタッチしないと反応しない、強く押さないと反応しないといった症状が現れます。
マルチインフォメーションディスプレイは高額なため、もし丸ごと交換するとしたら作業工賃も含めて30万円ほど見積もっておきましょう。
もしどうしても純正品じゃなければダメ、という場合以外は、社外品のカーナビなどを取り付けることも検討してみてください。
■ブレーキキャリパーの固着
ブレーキキャリパーとはディスクブレーキの一部で、ブレーキパッドを押さえつける役割を担っている部品です。これが固着してしまうとずっとブレーキがかかっているような状態になってしまいます。
「キーーー」という鳴いているような音を発しながら走ることになります。
もちろんブレーキ自体にも良いことではありませんので交換の必要があるのですが、ディーラーでは無料で交換してくれるケースもありますので確認をしてみましょう。
このような故障がアスリート系とマジェスタ系に比較的多いと言われているものです。
経年劣化によるものが多いため、買い替えるかどうかの判断も重要になってくるでしょう。
クラウンのその他の故障
ロイヤル系とアスリート系で結構多いと言われているのがテールランプの故障です。
特に18系ゼロクラウンにはテールランプにLEDが採用されているのですが、振動や経年劣化などによって一部が点灯しなくなってしまうというものです。
場合によっては整備不良として違反切符も切られてしまいますし車検も通りませんので修理をする必要があるのですが、困ったことに一部だけ電球を交換するということができない仕様になっているようです。
テールランプ丸ごと交換となると、部品代と作業工賃を合わせて5万円ほどかかります。
そのほか
・ハンドルを切ってからの戻りがなくなり自分で戻さなければならない
・高速道路を走行中にブレーキを踏むとハンドルがブレる
・寒い時期のエンジン始動時にエンジンルームから異音がする
・アイドリング数が安定しない
・ショックアブソーバーの異常(オイル漏れ等)
・Dレンジで停車していると車体が前後にガタガタと揺れる
などの不調や故障もあります。
買い替えるならタイミングは!?
今回はクラウンの故障についてご紹介してきました。
クラウンは比較的丈夫な車ですので「20年以上乗っている」「20万km超えている」という人も少なくありません。
ただ、度重なる故障は修理費用が大変ですし、廃車にするならまだしも売却を考えている場合は売り時も大切です。
もしかすると修理をするよりも思い切って新車に買い換えた方がお得なケースもあります。
最終的な判断は所有者次第ですが、売り時を誤らないように、例えば
・10万km以上走行している
・修理費が10万円を超える
など自分なりの基準を設けておくことをお勧めします。