ミニバン界では現時点で「No.1」。ノアの魅力はどこにある!?
ノアは兄弟車と言われているヴォクシーと並んでトヨタを代表するミニバンです。
*ノアはトヨタカローラ店、ヴォクシーはネッツ店で主に販売されています。
両者は内装、エンジン、プラットホーム(車台)などは共通ですが、外観のデザインに違いがあります。
2014年にフルモデルチェンジされた3代目ノアは燃料タンクを従来のものより薄くするなどの工夫が取り入れられ、低床化(85mm低)を実現しました。
これによって重心も低くなりますので走りの安定性が向上し、積載量も増加されました。また同時に車長を100mmほど延長したことでより広い車内空間を確保することができました。
さらに、トヨタのミニバンでは初となる「THS-Ⅱ」を搭載したハイブリッドモデルが設定されたおかげで燃費がJC08モード23.8km/Lと飛躍的に向上し、他のライバル車を圧倒するクオリティとなりました。
*THS-Ⅱ
プリウス、アクアなどにも採用されているトヨタを代表するハイブリッドシステムです。
ノアの魅力はこのようにデザイン性、居住性、安定性、そして低燃費性と言えます。ヴォクシーと並んで名実ともに現時点のミニバン界ではまさに最強の1台となった訳です。
ノアでよくある故障とは?
そんなノアによくある故障とその修理費用の目安をご紹介します。
■オルタネーターの故障から来るベルト鳴き
ノアに装着されているオルタネーター(発電機)のプーリー(滑車)は、減速時に発生する回転差などの解消のためにクラッチが付けられているのですが、その部分の故障が比較的多いと言われています。
エンジンを掛けてから切るまでずっと「キュルキュル」というベルト鳴きが続いたり、そのまま放置するとオルタネーター自体が回転しなくなって発電できなくなる、つまりエンジンが掛からなくなってしまうことがあります。
改善するにはオルタネーターごと交換するしかないのですが、新品では作業工賃も含めて10万円~12万円程度、リビルト品であっても5万円~7万円程度は見ておいた方が良いでしょう。
■ブレーキローターの故障から来るブレーキ時のジャダー(異常振動)
ブレーキローターというのはディスクブレーキを構成する部品の一種なのですが、特にフロントのブレーキローターにおいて何らかの異常が発生したり、変形してしまったりすることがあるようです。
するとブレーキをかける度にハンドルがガタガタぶれるというジャダーが発生してしまうというものです。
これは新車でも報告されている事象ですので、そもそもブレーキローター自体に「当たり外れ」があるものと考えられています。
ブレーキローターを交換することで解消されますが、費用としては1枚につき3万円~3万5000円程度(工賃込み)は見ておきましょう。
■ウォーターポンプの故障から来るオーバーヒート等
ウォーターポンプを回すためのプーリーが経年劣化や何らかの原因でガタつくことによってウォーターポンプが正常に回らなくなってしまい、冷却水漏れや冷却不足から来るオーバーヒートなどを招いてしまうというものです。
・水温計が上がりやすくなった
・ファンベルト周辺から異音がする
などの前兆で気付ければ良いのですが、気づかずに乗り続けてしまった場合、オーバーヒートや最悪のケースとしてエンジンの焼き付きなども考えられます。
修理はウォーターポンプの交換になりますが、そのためにはエア抜き、冷却水の交換なども付随しますので3万円~4万円程度と考えておきましょう。
もしエンジンが焼き付いてしまったらその10倍以上の費用がかかってしまいますので要注意です。
■ドライブシャフトの経年劣化から来るバック時の異音
ドライブシャフトのユニバーサルジョイント(角度が自由に変化する継手)部分が経年劣化によって異音を発するようになってしまうというものです。
故障というよりは耐久性の問題ですが、特にバック時などタイヤを動かしながらゆっくり後退している時に前輪付近から「ゴゴゴ」のような異音が聞こえたらユニバーサルジョイントの劣化の可能性が高いと考えて良いでしょう。
修理するにはドライブシャフトごと交換するしかありませんので、少なくとも5万円、多くて7万円程度は見ておいた方が良いでしょう。もしリビルト品があれば半額程度で済むかも知れません。
■燃料レベルゲージの故障
運転席パネルにガソリンの残量を表示するデジタルメーターは、ガソリンタンク内に設置されている燃料レベルゲージから情報を得ているのですが、このレベルゲージが故障してしまうことがあるようです。
するとたった今ガソリンスタンドで満タンにしたはずなのにデジタルメーターが増えず、「E」ランプが灯ったままになってしまいます。
実際にどれくらいガソリンが残っているか把握できないまま走行するのは大変危険ですのでできるだけ早く修理をした方が良いでしょう。
燃料レベルゲージ自体は新品でも1万円以下で購入できるものの、燃料系の修理は特に慎重に作業を行わなければならないため、工賃が若干高くなる傾向にあります。
目安として部品代プラス1万円~1万5000円程度は見ておきましょう。
ノアではこのような故障が多いと言われています。
ノアのその他の故障
ブレーキランプ、バックランプ、ウィンカーなどが一体になったリヤコンビネーションランプにLEDを採用しているのですが、球切れが少ないことが長所のLEDなのに切れてしまう(壊れてしまう)ことがあるようです。
これはそもそも基盤自体に不具合があることや、紫外線による劣化が原因であると言われています。
リヤコンビネーションランプに不具合があると車検が通らないのはもちろんですが、通常走行時に追突などのリスクがあり大変危険です。
1万円程度で修理が可能ですので、乗る前にチェックを忘れないようにしましょう。
その他には
・アイドリング時の回転数が安定しない
・信号待ちでアイドリングが不安定になる
・Dレンジで停車中に車体がガタガタと前後に揺れる
・アイドリング時のエンジン音が大きくなったり小さくなったりする
など、主にアイドリングに関する故障や不調などが目立ちました。
いずれも重大な事故や故障に繋がってしまう可能性は否定できませんので、少しでも異常を感じたらディーラーや整備工場に持ち込んで点検してもらいましょう。
ノアは「長く乗る」がオススメ!
今回はノアによくある故障を中心にご紹介してきました。
あまりにも高額な修理費用になってしまったり、頻繁に故障したり…中にはそういう個体に当たってしまう人もいるかも知れません。
もしそうなってしまうと買い替えなども検討しなければなりませんが、そうでなければ基本的には大きな故障や修理費用が高額になってしまう故障が比較的少ない車ですので、直しながら長く乗る方を選択した方が良いでしょう。